挙げ句の果て

いざ、恥じめやも。

2019年06月

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私は自分の髪質が好きではありません。
剛毛でゴワゴワして、かつ量が多いので、放っておくとすぐにボサボサになってしまいます。

今までたくさんの美容院を渡り歩き、ベリーショートからロングヘアーまで様々な髪型を試しましたが、結局はこの髪質が原因で、満足する仕上がりになった事は一度としてありません。

ですから、普通30代男性であれば自分の「基本の髪型」というのがとっくに確立されているのだと思いますが、私にはそれが無く、未だに美容院をコロコロ変えては短髪にしたり長髪にしたりといった具合に、髪型難民生活を続けているのです。

「いっそ坊主にしてしまおう」

私がそう思わないのは、過去に一度だけ坊主にした(というより、なってしまった)事があり、それもやはり似合っていなかったからです。

2011年。
私は当時ニューヨークの大学に留学していました。東京ですら自分の行きつけの美容院とお決まりの髪型を見つけられない私なので、当然異国の地でそれを見つけられるはずもなく、私はニューヨークに来てから1年半の間、一度も散髪せずに肩まで髪を伸ばしっ放しにしていました。

しかし、数ヶ月後に帰国・就活を控えていた私は、その時すでに各志望企業へエントリーシートを提出し始めなければならず、そのためにはこのボサボサの長髪をサッパリ短く切った状態で履歴書用写真を撮る必要がありました。

まず当然考えたのは、日本人がやっている美容院に行くことです。
実際、ネットで調べてみると、日本人がやっている(もしくは日本人美容師がいる)美容院がいくつか見つかりました。しかし、どれも値段が高く、しかも私には、美容院/自分の髪に対するある種の諦めの様な考えがあったので、日本人に散髪してもらう事はすぐに断念しました。

「どうせ高い金を払っても、変わりっこない」
「だったら、一番近くの安い床屋でも変わりない」

その様な安易な考えに基づき、家の近くのバーバーへ行く事にしました。

予約も何も無しに駅前のバーバーに入店すると意外と混んでおり、ドア脇の待合席にも何名か順番待ちをしている人がいました。私もその隣に腰掛け、店内を見渡しました。

すると、当然ではあるものの、アジア人は自分だけである事に気づくと同時に、周りの人も何かこちらをチラチラと見ている様な感じがしてきました。

程なくして、一人の理容師が私を呼びに来ました。

スキンヘッドにちょび髭がよく似合う彼は、おそらく身長が130cm程度であり、そのロンパっている目で私を見つめながら、
「ディノだ。よろしく。キミ日本人だろ?」
と言って私の手を力強く握りました。

ニューヨーク広しと言えど、私は間違いなく、ニューヨークで一番の名物理容師を引き当てた事を確信しました。

ディノ「今日はどんな感じにするんだい?」
恥骨「ええと、サイドと襟足は短めで、全体的にボリュームを軽めにお願いします。」
ディノ「ノープロブレム!」

ディノは腰から勢いよくバリカンを取り出すと、そのままなんの躊躇もなく私の後頭部を剃り上げ始めました。

「違うんです!そうじゃないんです!」

普通なら、そういう反応をするかもしれません。
しかし、ディノの手際の良さ・迷いの無さを前に、私はただただマグロ状態でジッと彼の仕事を見つめる事しか出来ませんでした。

途中、私は店内の壁に掛けてあるヘアスタイルのサンプル表に気が付きました。

ヘアカタログ

このサンプル表を見れば、ディノが完璧に自分の仕事を遂行している事に疑いの余地は無く、私も、彼の仕事に文句をつける程は愚かではありませんでした。

あっという間にバリカンで私の髪の毛の8割を剃り落としたディノは、いよいよハサミを取り出し、私の頭頂部付近に残っている髪の毛を切り始めました。

バリカン同様、大胆に、手際よく。
バッサバッサと私の髪の毛を切り倒して行く130cmのディノには、まず間違いなく私の頭頂部は見えてすらいなかったでしょう。しかし、見える必要など、彼には無いのです。

「小さな大理容師」
「理容師界のマスター・ヨーダ」

そんな言葉を思い浮かべずにはいられないレジェンド・ディノは、15分前にはふかわりょうそのものであった私のヘアスタイルを、ものの見事に凛々しいネイビーシールズのそれへと変身させたのでした。

ディノは合わせ鏡を私の後頭部付近に持ってきて、後ろの仕上がりを見せてくれました。
まさに惚れ惚れする、パーフェクトな角刈り。

「これは有利です。」

ラモス瑠偉にそう言わしめたのはバンテリンでした。

そしてこの美しい角刈りもまた、就活戦線を控えた一人の青年の心に激しく訴えかけ、

「これは有利です。」

と、確かにそう思わせたのでした。

私は、日本から遠く離れたこのニューヨークの地で、初めて本当の自分を見つけさせてくれたディノに心から礼を言い、バーバーを後にしました。

「今俺は、間違いなくこの街で一番クールな髪型をしている。」
「俺が採用チームだったら、確実に一巡目で指名する。」
「これは有利です。」

家に帰ってすぐ、私は明日の写真撮影時に着用するスーツを着て、鏡の前に立ちました。
すると、部屋からルームメイト(日本人)が出て来ました。

彼は私を見るなり「ダサい」「海南の高砂だ」といった様な言葉を連呼し、笑い倒しました。

しかし、私は常々彼とは美的感覚が違うなと思っていたので、彼のその反応を見ても特に動じることもなく受け流していました。

すると、私があくまで真剣にこの髪型で写真を撮ろうとしている事を察した彼は、今までの茶化したトーンから一転し、

「就活を終えた先輩として言わせてもらうと、その髪型は本当にヤバい。」
「まだ坊主の方が全然マシだ。」
「俺が今から坊主にしてやる。」

といったような事を、本気で友達を心配する口調で私に言い聞かせて来ました。

私は、この髪型がいかに有利であるかを、彼に本気で説明しましたが、彼の友人を思う気持ちも同じように本気でした。そしてその友情に免じて、私は坊主になる事を承諾しました。

彼は私を浴槽内に立たせ、嬉しそうにバリカンで私の頭頂部付近に残った髪の毛を剃り上げました。そして、ものの数分のうちに、私は人生初の坊主頭になっていました。

鏡に映った私の坊主姿からは、ついさっきまで確かに私が持っていたはずのアドバンテージは完全に失われていました。

「これは不利です。」

こうして、私の就職活動はマイナスからのスタートになりました。

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昨日、アニメ好きの友人から常々面白いと聞いていた「反逆のルルーシュ」(シーズン1 / 全25話)を全て見ました。

フツーに面白かったので、すでにシーズン2も数話見始めているわけですが、『なぜ「シーズン」という言葉を今ここで使ってしまっているのか?』と疑問に思われる方のためにまず断っておきますと、これは単純に「Huluで見ているから」という理由になるわけです。

つまり、Hulu / Netflix / Amazon Prime等のVODでコンテンツを視聴する場合、海外ドラマだけでなく、アニメやバラエティ番組であっても「シーズン」という用語を使う事が通例となっているようなのです。

それはともかくとして、下記、反逆のルルーシュ(シーズン1)を見て思った事。

◆テーマソングが良くない。
アニメソングの良いところは、最初はその曲が好きだと思わなくても、毎回耳にするうちに自然と口ずさみたくなり、気づいたらカラオケで歌ってしまっている、という所にあります。化物語シリーズに関して言えば、八九寺真宵先生の超名曲「帰り道」を筆頭に、シーズン1の主題歌「君の知らない物語」、千石撫子の「恋愛サーキュレーション」、阿良々木月火の「白金ディスコ」等々、恥骨のカラオケ必唱曲のオンパレードとなっています。
反逆のルルーシュでは、残念ながらこういった歌いたくなる名曲が「ゼロ」であったと言わざるを得ません。

◆ルルーシュの声が気になる。
これを言うと演出やキャラクター設定に口を出す事になってしまうのかもしれませんが、ルルーシュの声(喋り方)が、ふざけてルルーシュを真似している人の声にしか聞こえず、「わざとらしく」聞こえてしまうのです。
どうやら、この「わざとらしさ」を感じるかどうかは、江戸川コナン(工藤新一)の「バーロー」をスッと飲み込む事が出来るかどうか、つまり、極めてキザな世界観に躊躇なく付き合えるかどうか、という事のようです。

◆ルルーシュとは、アナキン・スカイウォーカーの事であった。
「ギアス」とは「フォース」の事です。意思の力でフォースをコントロール出来れば、ヨーダやルークのようになれますが、フォースに飲み込まれてしまうとダース・ベイダーになってしまいます。ルルーシュとアナキンは二人とも「超人的な力」を手に入れ、そしてその力に飲み込まれ、ダークサイドへと落ちて行くのです。

◆ユフィ・フォーエバー
ユーフェミアは決して強くもなく有能でもありません。彼女はエリア11の副総督に就任しますが、力も実績も、何も無いのです。何も無いから当然何も出来ず、そしてフツーに悩んだりします。それでも、周りの批判に負けずに自分が正しいと信じた事(スザクの騎士への任命、行政特区日本の設立)を貫き通します。
これと対照的なのがスザクです。スザクは、ゼロを仕留め損なうというたった1回のミスで心が折れ、「自分には騎士の資格が無い」と言ってユーフェミアに騎士の資格を返上します。
「自信が無いからやーめた」というのは、いつだって一番簡単な選択であり、自己保身以外の何ものでもありません。(そして、ユーフェミアに密かな好意を抱くこの男は、ユーフェミアも自分が好きだという事を確認してから、「やはり騎士を引き受けます」と言う始末なのです)
「自信が無くても貫き通す」事の出来るユーフェミアは間違いなく本作で一番勇敢なキャラクターであり、恥骨のNo.1推しメンであります。

◆ありがとう乳首。
神根島でのカレン、扇の部屋のヴィレッタ、どちらも良い乳首でした。
ちなみに、下記サイトでは、乳首の見えるアニメ/漫画をまとめているようなので、興味のある方はチェックされたし。

http://chikubiwiki.wiki.fc2.com/

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「座りションベン」が「デキる男の嗜み」になって久しい今日この頃。

NPO法人日本トイレ研究所(実在する組織です)が全国47都道府県の男性(20〜69歳)を対象に実施した「男性のオシッコ事情」調査によると、自宅で小便をする際、約4割の男性が「座りション」をすると回答しました。

《自宅でのオシッコの仕方》
 座りション:43.7%
 立ちション:55.3%

驚くべきは、「座りション」派の中で、家族に言われて座りションをしている割合はたった2割で、8割の人は自分の意思で座って小便をしている、という事実です。

これはつまり、「立ちションは飛び散って汚い」という意識が女性だけでなく、男性の中にも根付きつつあるという事であり、元来綺麗好きな日本人の性質を考えれば、まあ納得の行く調査結果なのかもしれません。

しかしながら、私は座りション派の意見に対して一定の理解は示しつつも、やはり男の本来あるべき姿は「立ちション」であると考えるのであります。

理由はズバリ、座りションがもたらす「残尿感」であり、これは男性諸君であれば「漏れなく」分かって頂けるところだと思います。つまり、本来男性の体は立って排尿するように出来ており、座った状態だと尿道が塞がれて残尿リスクが高まってしまうのです。

かく言う私も、大便をする時に限っては座って小便を出す訳でありますが、どうしても残尿感が残るので、私はいつも「牛の乳搾り」の要領で、竿の中から残尿を絞り出しているのです。

「シシ神殺しをやめて、侍殺しをやれと言うのか」

「違う!森とタタラ場、双方生きる道はないのか!」

アシタカの名言に例えるなら、トイレの衛生環境を乱す「立ちション」派は森を破壊するタタラ場であり、トイレの秩序を保つ「座りション」派はさながら森の主であるシシ神といったところでありましょうか。

アシタカが主張する「双方が生きる道」として一番良いと考えられる方法は、男性用と女性用の二つのトイレを作る事でしょう。しかし、一家庭に複数のトイレがあるケースなどはごく一部であり、多くの家庭、とりわけ集合住宅に住む家庭では、一つのトイレを家族全員でシェアする事が一般的です。

結局のところ、「双方が生きる道」というのは「双方が妥協する道」という事なのでしょう。タタラ場側の私の立場からすると、「立ちションはやる。但し、飛び散りを極力抑えた形でやる。」という事になります。

飛び散りを抑えるために重要な要素は下記の三つになります。

①尿の狙い所/着地点
 →基本的に「水面と便器の境界線」を狙って放尿する事が鉄則です。

②便器面に対する尿の入射角
 →便器面に対してなるべく鋭角に放尿する事で、飛び散りを最小限に抑える事が出来ます。

③便器の水位
 →低い方が飛び散りを抑える事が出来ます。

と、文字で書いても伝わりずらいので、下の写真を使って説明していきます。


【水位が低いタイプ】
 飛び散り度:かなり少ない

水位低い_狙い


赤丸で示した部分が尿の狙い目になります。
水位が低く設定されているトイレの場合、ご覧の通り狙い目部分の便器面の傾斜がとても大きいので、便器面に対して極めて鋭角に放尿する事が可能になり、結果として飛び散り度はかなり少なくなります。
但し、水位が低いと、どうしても大便がこびりつきやすくなってしまうというマイナス面もあります。


【水位が中程にあるタイプ】
 飛び散り度:少ない

水位中程


水位が中程のタイプでは、赤丸で示した狙い目部分の便器面の傾斜が緩やかになっているのがわかります。この場合、尿の便器面に対する入射角を鋭角に保つ事が難しくなるため、水位が低いタイプに比べるとどうしても飛び散り度が上がってしまいますが、それでも狙い目を間違えなければ、かなり飛び散りを軽減する事が可能です。

便器の水位が「低いタイプ」と「中程のタイプ」について説明致しましたが、これより水位が高くなると狙い目の範囲が小さくなくなる事に加え、便器面の傾斜が更に緩やかになって尿の入射角を鋭角に保つ事が出来なくり、飛び散り度がかなり高くなってしまうので、家庭用トイレの水位は「低い〜中程」に設定する事が推奨されます。


以上、ここまで色々と「立ちション」のテクニックに関して書いてきましたが、いくら上手く立ちションしたところで飛び散りをゼロにする事は出来ません。立ちションをしたら必ず紙で、またはトイレクイックル的な掃除用品を使ってこまめにトイレを拭き掃除する事が、トイレの秩序、引いては家庭の平和を維持するために、立ちション男性諸君に求められている事なのです。

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